2023年5月12日現在、日経平均株価は年間最高値を更新しており、右肩上がりの強い動きが見られます。一般的に、年初から一貫して株価が上昇する現象は極めて稀で、日本株市場の強さを示しています。
しかしこの背景には、世界的な経済リスク要因が存在します。まず注目すべきはアメリカの債務上限問題です。これはアメリカの財政健全性に対する懸念を引き起こし、全世界の金融市場に影響を及ぼす可能性があります。さらに、アメリカのインフレが低下し、それに伴って金利が急速に低下する現象も見られています。その結果、金利の逆イールドが発生しており、6月以降の金利引き上げは見込まれていません。
その一方で、ヨーロッパやイギリスでは依然として高インフレが続いており、経済状況の安定性に疑問符がつけられています。
これらのリスク要因にもかかわらず、日本株は強い動きを見せています。その主な理由として、日本での賃金上昇が挙げられます。人手不足と物価高が賃金を押し上げており、日本経済の好循環を予感させます。この賃上げが一過性でなく持続的になれば、日本がデフレから脱却する可能性があると市場は評価しています。
このような観点から、日本株の持続的な強さには、賃上げという国内経済のポジティブな動きが大いに影響していると考えられます。今後も日本株に対する期待が高まる可能性があります。